適正な部活動の運営に向けて 平成30年4月1日 沼田市教育委員会
1 部活動の意義 学校教育の一環として、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動は、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養、互いに協力し合って友情を深めるといった好ましい人間関係の形成等、大きな意義を持つ活動である。 沼田市においては、国や県の方針を受け、また、沼田市独自施策「教育部活」の理念を基に、「心・技・体」の調和のとれた望ましい部活動の一層の充実を図っていきたいと考える。
2 望ましい部活動の指導 (1)部活動運営方針等の説明・共通理解の促進 各学校において、校長を中心に部活動の運営方針を策定し、年度始めの職員会議において全教職員で共通理解を図る。また、PTA総会や地区別懇談会さらには学校通信等を利用して保護者や地域の方に部活動の意義など説明する。 顧問は、校長の運営方針を受けて、毎月の活動計画及び活動実績を策定し、校長に提出する。また、顧問は各部の指導方針を保護者会等で説明し、保護者の理解を得るとともに、練習試合や試合日程等を事前に示し、保護者の理解と協力を得られるようにする。 (2)指導者の資質向上 指導者は、生徒の技術の向上を図るだけではなく、協調性や責任感、規範意識など心の面の指導も向上を図る必要がある。指導に当たっては、生徒と信頼関係を構築し、生徒同士が互いに尊重しながら活動を進められる練習環境を作る。 (3)適切な休養日等の設定 生徒の心身のバランスのとれた部活動の運営と、また教職員の負担軽減や長時間労働解消のためにも休養日や活動時間等を設定することが重要である。そのため、年間を通して計画的に、適切な休養日等を設定することとする。 ①週当たりの休養日の設定 ・週2日以上(平日に1日と土・日曜日のいずれか1日)の休養日を設定する。 ※なお、大会等への参加などにより、土・日曜日にやむを得ず活動する必要がある場合は代替休養日を確保する。 ②長期休業中の休養日の設定 ・長期休業の意義を考慮して、土・日曜日は休養日とする。 ・部活動をもたない日を設定すること。(学校閉庁日に合わせる) ※なお、大会等への参加などにより土・日曜日にやむを得ず活動する必要がある場合は代替休養日を確保する。 ③活動時間 ・平日は2時間程度で活動を終えることとする。 ・学校の休業日(学期中の土・日曜日を含む)では3時間程度で活動を終えることとする。 ・練習試合等で終日の活動となる場合でも、生徒の健康管理に十分配慮して、休養時間を適切に設定し、無理のないように活動する。 ④朝練習の実施 ・やむを得ず朝練習を実施する場に合は、希望者のみとし、部単位で一律、一斉に行わないようにする。 ・朝練習の効果だけでなく生徒の健康状態や活動意欲、学習や家庭生活等を配慮しながら実施することとする。 ・放課後の練習時間が十分にとれる日は、原則として行わないようにする。 (4)参加する大会等の精選 学校長や顧問は、生徒の技能の向上だけでなく、生徒の心身の健康についても配慮するとともに、教職員の長時間労働の解消のためにも、参加する大会等の精選を図る。 (5)部活動指導員・外部指導者の活用 専門的な指導を求める生徒や、教職員の指導力の向上、負担軽減のために、部活動指導員や外部指導者を活用する。ただし、部活動計画など、顧問が責任をもって作成し、部活動指導員や、スポーツエキスパート活用事業などによる外部指導者との連絡を密にし、役割分担を明確にする。 (6)部活動検討委員会の設置 学校評議員会など活用しながら、部活動検討委員会を設置し、練習内容や練習時間、保護者との連携、学校と地域の連携など、円滑な部活動が行われているか、各学校の部活動に対して評価・改善していく。 (7)地域との連携 部活動を持続可能なものとするため、学校や地域の実態に応じて、地域のスポーツ団体との連携や、保護者の協力や民間活力(道場やクラブ等)の活用等による学校と地域が協働・融合した形での地域における環境整備を進めること。 (8)体罰等の許されない指導の未然防止 部活動は学校教育の一環であり、体罰は絶対にあってはならない。また、生徒の人間性や人格の尊厳を否定するような発言や行為も許されない。 生徒との信頼関係を大切にしお互いを尊重し合いながら活動を進めていくことを大切にし体罰等の未然防止を図る。 3 その他 本方針は、本県の実情を踏まえ、生徒の視点に立った部活動の改革に向けた取組を推進するものであるが、今後各中学校において本方針を踏まえて活動する中で、各校や本市全体の状況を考慮しながら 、修正・改善していくものとする。